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第10回 CMSAIコロキウム
「圏代数と圏上の状態:量子場理論への応用と更なる展開に向けて」

 1.講演会名称:第10回 CMSAIコロキウム

 2.開催日時 :2023年6月21日(水)18時00分~19時30分

 3.講演会場 :創発学術院 セミナーエリア(16号館10階)
         対面およびZoom配信
 
 事前登録URL:
 https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZckf-mvqj8tH9MCjaP_vb4aTbDkPKo8ZwV2

 4.講演者  :西郷 甲矢人 氏(長浜バイオ大学フロンティアバイオサイエンス学科教授)

 5.講演題目 :「圏代数と圏上の状態:量子場理論への応用と更なる展開に向けて」

要旨:量子場理論は相対論と量子論の融合を目指して生まれた(もちろん非相対論的文脈も重要であるが)。しかし、数多くの成果にもかかわらず、現実の「相互作用する量子場」を捉える数学的枠組みは未完成のままである。講演者は最近、こうした数学的枠組みに向けた新しいアプローチとして、時空を多様体のような「構造づけられた点集合」としてではなくむしろ「圏」(適切な合成の構造が与えられた「矢印」のシステム)として捉え直し、場の物理量代数をその圏の構造を反映した畳み込み代数である「圏代数」として考えるというアイデアを提案した。本講演ではこのアイデアを説明し、代数的量子場理論など既存の量子場へのアプローチや量子論の基礎研究といかに関係するかを述べ、「相互作用する量子場」に迫る方途を議論したい。さらに、このアイデアが「因果的構造」と「(非可換)確率構造」を一般的に融合する手法を与えることから、「量子認知」として知られる古典的な確率モデルではうまく説明できない人間の認知・意思決定や、「意識状態」の理解など狭い意味での物理を超えた文脈にも応用可能であることを説明したい。