中部大学 CMSAI@CU CMSAI@CU

2022年度 第6回 CMSAIコロキウム
「新型コロナウィルス感染症のダイナミクスの簡単な数理モデルとデータサイエンス」

日時:2022年12月01日 17時10分〜18時40分

場所:ファカルティルーム(7号館3階)対面およびZoom配信
※Zoomにて参加の際,ご所属とお名前の表示をお願い致します

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このミーティングに事前登録する:

https://us02web.zoom.us/meeting/register/tZElf-GprTooGNeuf–V2ehB8JVxM4OxEdW1

登録後,ミーティング参加に関する情報の確認メールが届きます.

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講師:土谷 隆 氏(国立大学法人 政策研究大学院大学 教授/データサイエンスセンター所長)

<要旨>

本講演の前半では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大について、膨大に存在する無症状陽性者や行政による(避けられない)集計の遅れなども考慮した、簡単で柔軟な包括的数理モデルを作成し、新規陽性者数や発症日別発症者数、無症状者のモニタリング検査の陽性率等を一つのモデルで合理的に説明することを試みる。モデルはSIRモデルを離散化して簡単化し、それを拡張したものである。本年冬に流行った BA.1 の場合、無症状陽性者が行政発表の新規陽性者の10倍程度はいること、夏に流行った BA.4/5 の場合には5倍程度と見積もれること、流行の収束が基本的には集団免疫によるものであることなどをデータを通じて示す。ワクチンの効果についても厚生労働省や東京都のデータに基づいて議論する。後半では、感染症の脅威の解決に対し、数理モデルやデータサイエンスはどのように寄与できる可能性があるか、そして、この研究活動を通じて感じた行政やマスコミ、学界の課題、そして、それを改善して、国民の緊急の安全安心に直結する政策の立案に際し、フェアな立場で日本の科学技術の総力を挙げて立ち向かう仕組みを構築するにはどうすることが望ましいかについて議論する。